給与計算は個人企業であろうと大企業であろうと毎月必ず発生する大事な業務です。

しかし会社の業績に影響する業務でもなく、どちらかというとバックヤード的な位置関係にあり、この業務量が多すぎて本業に影響するようでなことは避けたいと思うのは当然でしょう。

最近ではインターネットによる会計ソフトが発達してきて、経理知識がなくても会計業務ができるようになってきました。

給与計算ソフトも充実して基礎データを画面の指示通りにインプットすれば誰でも簡単に個人ごとの給与明細書まで短時間に作成ができます。随分楽になりました。

しかし、年金事務所への様々な届出や申請、手続きなどは自ら行わなければならず依然として面倒さはあります。

そこで、この業務をアウトソーシングして、本業に集中したい方たちに、給与計算を外注するメリットとその料金相場について詳しく解説いたします。

給与計算って何?

給与計算とは、従業員の給与支給額を計算する業務です。

具体的には雇用契約や会社の諸規定に基づいて従業員の勤怠状況や手当などを計算して給与総支給額を求め、そこから社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険料、雇用保険料など)や税金(所得税、住民税)などを差し引いて最終的に手取り額を計算して、従業員ごとに給与明細書をつくり、各従業員に給与を支給するところまでとなります。

さらに業務として、税金や社会保険料を徴収し税務署や年金事務所に納付する仕事もあります。給与計算は労働契約の根幹をなす重要な業務のため、正確性が特に求められる業務となります。
(出典 URL: https://jitsumu-up.jp/payroll/

社会保険労務士に給与計算を依頼するメリット

① 最大のメリットは、給与計算を外注化することにより、本業に人的資源を集中させることができることでしょう。毎月の給与計算は、所得税、住民税の控除、従業員の入社、退職時の雇用保険や社会保険の手続、離職票の発行など税金や社会保険に関連する手続きが多く含まれています。この煩雑な税務、社会保険関係の事務は従業員が増加するたびに事務量が増加していきます。これを外注化することにより本業に集中できるメリットがあります。

② 社会保険労務士に給与計算を依頼するメリットは、社労士が従業員の入退社時の手続や労働保険の更新、社会保険の月額変更届、算定基礎届の手続が独占業務となっているからです。給与計算そのものは資格がなくても誰でもできますが、年金事務所への届け出や手続きは社労士の有資格者でないとできません。税理士もできません。

③ 最近ではこれらの手続を電子申請で行う場合がおおくなりました。社労士による一括受注(入社から退職まで)により大幅に手続の手間が軽減されます。

④ 一般的に労使間には様々な問題を発生させる場合があり、労使間に紛争などが発生した時、社労士が間に入って調停する場合があります。労使間の意思疎通を図り、健全な形で労使の関係が維持できるように調整を行う役割を社労士が持てるメリットがあります。

⑤ 助成金、補助金の申請には社労士の援助が大きいです。現在中小企業に対して様々な助成金制度、補助金制度が実施されています。助成金、補助金は借入金ではありませんから返済の必要がありません。いただいたままでいいのです。確かに受給は簡単ではなく、厳しい審査がありますが、社労士の指導があれば成功率はかなり上がってきます。
Ex:トライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金、創業、事業継承補助金など他多数

⑥ ミスがなく安全安心の給与計算ができる。中小企業の規模の小さい所では給与計算以外にも多くの業務を兼任している場合が多く、負荷がかかって気づかない内にミスが出てしまう。

⑦ 社内での不正やトラブルの防止に繋がり意図的な不正が防止できる。

社会保険労務士に給与計算を依頼するデメリット

① 年末調整の手続きは税理士の独占業務で社労士はできない。自治体に出す従業員の給与支払い総括表、支払い報告書の電子申請もできない。

② 費用がかかる。相場については後述します。

税理士に給与計算を依頼するメリット、デメリット

メリットは年末調整ができることです。保険料の計算や源泉徴収額の計算は社労士ではできません。デメリットとして社労士の独占業務となっている社会保険の手続や、従業員の入退社の書類の作成、届出、手続きなどはできません。

社会保険労務士に給与計算を依頼する時の料金相場について

一般的に中小企業、小規模企業を含めて社会保険労務士と顧問契約を結んでいる場合が多く、その顧問料の中に給与計算を含んでいるケースが多いです。ただ統一された契約方法がなく各労務士事務所により、まちまちです。見積を取る時には顧問契約の時の内容が何を含んでいるか、何を依頼するかを明確にしておかないと、合い見積もりの時に比較ができないので注意が必要です。

普通、顧問契約を結ぶ時に内容は、労働保険、雇用保険、社会保険の手続代行、助成金の就業規則に関する相談、労務関係の法律相談などを含んでいます。

料金相場1

顧問契約(10人以下)18,000円~20,000円/月
給与計算 人数料金で500円~1,500円/人

料金相場2

顧問契約(10人以下)20,000円~/月
給与計算15,000円~20,000円/月

料金相場3

顧問契約+給与計算(10人未満) 50,000円/月

また、毎年7月に行われる保険料の算定、申告に関しては別料金にしている事務所もあります。

相場的には従業員10人未満位で年度更新が25,000円、算定基礎届が25,000円ほどです。(以上全て税別です)
いくつかの情報を集計してみると上記のような料金相場となります。参考になれば幸いです。

まとめ

最近ではほとんどの企業が社会保険労務士と顧問契約を結んでいるところが多いです。その中に給与計算を含めるかどうかは従業員の数により異なってきます。

しかし社労士に給与計算を依頼する最大のメリットは、その分本業に集中できる、ということですが、そこには社会保険関係の行政手続きがいかに煩雑になっているかを示しています。

日本の企業における行政手続きの煩雑さは先進国の中では突出して多いそうです。政府は2021年に税・社会保険の書類を不要にする検討に入いる、としています。

源泉徴収票や社会保険の届出書類など従業員に関する書類を不要にするということで、政府認定のクラウドサービスを使用して実施する方向のようです。これが本当に実現できれば、確かに大幅に社会保険手続きの煩雑さが減少すると思われます。労働環境も厳しくなってきていますから、スピード感を持って進めて欲しいものです。